
ちょっと目を離した隙に、子どもが物を壊したり倒したりして困ったことってありますよね。
しかも自分でやったことを「私(僕)じゃない」と言ってききません。ママやパパは、物を壊しただけでなく嘘をつかれたとショックを受けてしまいます。
なぜそんな見え透いた嘘をついてしまうのでしょうか。
なぜごまかすの? 嘘をつく子になってほしくない
なぜ子どもが突然嘘をつくようになってしまったのかとショックを受けて、「自分の育て方が悪かったのでは」と思い悩むママやパパもいるのではないでしょうか。
嘘が習慣化してしまうのはいけないと焦り、「自分のあやまちを認めて謝れる子になってほしい」と願うのは、親として自然なことです。
ですが、焦らなくても大丈夫。まだ謝れない子と決めつけたりする段階ではありません。
3~6歳の子どもが、自分がやったことを「私(僕)じゃない」と言うのは、決して悪気はないのです。
子どもは大好きなママ(パパ)に「怒られたくない」だけ
子どもが自分のやったことを「私(僕)じゃない」と言うのは、ママやパパに怒られたり、責められたりするのが嫌だからです。
悪いことをしてしまったかもしれないと気づいているからこそ、嫌われないために嘘をついてしまうのです。
子どもの「自分はやっていない」というごまかしは、自分を守るためにとっさに出た言葉といえるでしょう。
また、「やったのは自分ではない」と言うことで、大好きなママやパパを安心させられると考えていることもあります。
いずれにしても、3~6歳くらいの子どもの嘘は、人を騙そうとしてのものではないことを理解してあげましょう。
子どもの嘘を受け止めて安心させてあげることが大切
子どもが嘘をついたときは疑うのではなく、子どもの言葉をそのまま信じる姿勢を見せてあげることが大切です。
なぜなら、3~6歳頃の子どもがつく嘘は、人を騙すためではなく、自分を守るためのものだからです。大人でも、叱責から逃げたくなることはありますよね。
子どもの言葉を信じてあげたら、次は状況を確認しましょう。壊してしまったものやこぼれてしまったものがあれば片付け、子どもの安全を守ることを優先してくださいね。
「ママ(パパ)に信じてもらえた」経験をした子どもは、自分から「本当は僕がやった」「よく考えたら私がやっちゃったのかも」と、ぽつぽつ話し始めることがあります。
そのときに「次からはちゃんと話してくれて大丈夫だよ」と、本当のことを言っても怒らない姿勢を見せると、子どもはいずれ安心して正直に話せるようになるでしょう。
信じることが嘘の習慣化を止めることにつながるのです。
逆に、自分の言った言葉を信じてもらえず「嘘をついたらダメ」と言われた子は、自分を悪い子だと思ってしまったり、「自分の言うことは信じてもらえないんだ」と思ってしまったりすることも。
ママやパパは子どもの嘘の背景にある気持ちを理解し、受け止めてあげてくださいね。
子どもが「怒られたくないから」と、とっさに嘘をつくことはよくあることです。
大切なのは、子どもの「怒られたくない」気持ちを理解して、安心させてあげること。
穏やかに子どもの言葉を受け入れてあげましょう。
監修:榎本可世子
第37期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・元保育園園長、子育てアドバイザー養成講座講師)
文:あまね
イラスト:Ryoko Ishiyama